ラーメン物語6

ラーメン屋のバイトも数カ月が過ぎ
色んな仕事を覚え
フリーターと言う事もあり
ランチタイムを仕切らせて貰えるようになった
時間も8時〜17時になり
仕込みから仕事をするようになった


正社員の人達はもちろん
バイト仲間達とも仲良くなり
よくバイト終わりに遊びに行ったりしていた


よく遊びに行っていたのが
コウツギと言う18歳の大学生の男
何かと懐いてきて
俺は弟の様に可愛がっていた


ある定休日
店に出て次の日の営業の分を
一人で仕込みしていた
ラーメン屋は月曜日が定休日なのだが
定休日も基本的に誰かしら出勤し
仕込みなどをしている
今回は俺の当番


仕込みをしていたら携帯がなった
コウヅキからだ
また遊びの誘いだろう
とりあえず電話に出る



もしもし


コウヅキ
チワッス!
○藤さん今何してます?



今日は仕込み当番やから
店に出てんねん
どうした?


コウヅキ
ホンマっすか?
じゃあ今から店に行きますねー



おー
分かった


こんな感じで
店に遊びに来るヤツは結構いたので
定休日の仕込みも苦ではなかった


暫くするとコウヅキが店に来た



あれ?
今日は一人?


いつもは誰かしらと来るのに
今日は一人の様だ


コウヅキ
そうなんすよ
実は○藤さんに相談があって…



相談?
とりあえず仕込み終わらせたら聞くわ
ちょっと待ってて


相談事は初めてではないが
今回は少し感じが違う
俺は仕込みを一段落終え
厨房からホールのテーブル席に座った



待たせたな
ほんで相談って?
金は無いで


軽く冗談を言い
タバコに火をつけ
コウヅキが話し出す


コウヅキ
知ってますよー(笑)
実は…
僕好きな子が出来たんです


またか…
何回かこういった恋愛相談は受けている
いつも通りだ
それでも一応話は聞く



おう
今度はどこの女よ?


コウヅキ
おんなじバイトのフクモリさんです!


え?!!


コレには俺も驚いた


この女はフクモリエミ
確か俺の二つ下の女の子だ
ランチタイムに入っているバイト
バイト仲間で遊びに行く内の一人で
特に可愛いわけでは無いが
小柄てま愛想がとても良く
良く笑い
お客さんからも人気があった
しかも
ナイスな形と張りのある巨乳女だ
aikoみたいな女と言えばわかりやすいだろうか?


コウヅキとはシフトが被ってるわけでは無いが
飯をみんなで食いに行った時とかに
一緒になっている
しかし
それほど絡んでいた印象はない



お前いつの間に好きになってんねん!
ホンマにびっくりしたわ!
あんまり絡んでないやろ?


コウヅキ
この前みんなで飲みに行ったじゃないですか?
あの時ちょっとだけ喋ったんですよ
それから好きになってしまったんです!


何だこいつは?
惚れやすいのか?
俺は少し呆れてしまった
コイツは女に騙されるタイプやなと
少し思い
将来が不安になってしまった


確かにフクモリは愛想も良いし
巨乳で美乳かもしれないが
そんな音速で惚れてしまう何かがあるとは
思えなかった



ほんで
コウヅキはどうしたいんよ?


コウヅキ
また集まる時呼んで貰ってええすか?
フクモリさんも一緒に
お願いします!!


結構マジみたいやし
仲を取り持てと言われたら
断ろうと思ったが
機会を与えるだけならエエかと思い
コウヅキに言った



エエよ
分かった
フクモリのシフト入ってる時に言うとくわ


そう言い
店にあるシフト表を確認する



明日フクモリ入ってるわ
フクモリだけやなくて他のみんなも来ると思うし
日程決まったらまた言うわ


コウヅキ
ホンマですか!?
ありがとうございます!!


コウヅキは凄く喜んでいた


俺も仕込み手伝いますよ!!


そう言いながら
嬉しそうに仕込みを手伝ってくれた


そして俺は
翌日の営業日にランチタイムに入っている
バイト達に声を掛け
遊びに行くことになった


もちろんフクモリにも声を掛ける



フクモリ?
今度みんなで夜に遊びに行かん
言うてもいつも行ってる所やけど?


バイト仲間で行く所は
決まった居酒屋がある


フクモリ
行く行くぅ!
○藤さんも行くんやろ?


もちろんと答える


フクモリ
その日空けときますねー


その事をコウヅキに伝える



○日の夜に集まるけど?
イケるか?


コウヅキ
もちろんです!
行きますよー!
シフト出しときますわー!!


電話越しにも
喜び張り切っているのが伝わってきた


やれやれ
世話の焼ける弟分やと思いながら
頑張れよとも応援したくなる


そして
みんなで集まる日を迎えた