デリヘル物語8

あれから
彼女とは仕事が一緒ではない時は
メールで連絡を取り合い
一緒の時は短い時間ではあるけど
楽しく話す


客の所に送り届けるときは
マジで嫌気が刺していた


あぁ
これから知らないどこかの男に
身体を触られるのか…


待ってる間は
地獄の様な時間を過ごす


若さ故の葛藤…
彼女の事が好きである事は間違いない


しかし


職業
風俗嬢という肩書きだけが
俺を悩ませる


彼女の事情も解る
歯を食いしばって生きていってることも


彼女と一緒のシフトで会えるのは
嬉しいし
楽しい


それと同時に
何とも言えない感情が湧き出てくる


アカン
一人で考えても答えが出ない


俺はある友人に相談することにした


以前勤めていたキャバクラのボーイ
そう
芦田である


その芦田に会い
俺のこの気持ちを聞いてもらおうとした



実は好きな娘できてん
芦田
おっ、良かったやん
ええ感じなん?付き合った?

いや
エエ感じやと思うけど
実は…


芦田に彼女の職業や
これまでの人生
そして
俺が今思っている感情を
全て聞いてもらった


芦田
へー
なるほど

もう何か色々わからへんねん
どうしたらエエか!


そこで
芦田がこう言った


好きやったら
グズグズ言わんと思いを伝えんかい


俺は目が点になった


そして
芦田はこう言う


お前はその娘の事か好きなんやろ?
好きでたまらんのやろ?
ほんなら
好きやって言うたらええねん
それからどうなるかなんて
知らんがな


確かにそうだ
芦田の言うとおり
思いを伝えない事には始まらない


芦田
もしそれで振られても
デリヘルのバイト辞めたらエエし
付き合ったら付き合ったで
その子も風俗やめて
仕事変わるかも知れんやん?
キャバクラとか色々あるしさ


芦田の言葉で
色々と吹っ切れた


さらに
芦田は言う


好きになってもうたんやから
全てを受け入れて
堂々と好きって言うでこいよ
人を好きになる事は素敵な事や


芦田の言葉にグッと来た


もう俺は迷わない
好きになった事を
自分の思いを全て伝えよう


早速彼女に連絡を取ってみる


今度空いてるとき
会わない?


メールを送信


しばらくして
メールが帰ってくる


イイよー
○日の夜なら空いてる


ありがとう
じゃあその日の夜ね


こうして
彼女と会う約束し
自分の思いを伝える日が来るんだ