ラーメン物語13

初めての遅番勤務
俺が勤めているラーメン屋の基本シフトは
08:00〜17:00
11:00〜20:00
17:00〜04:00
これが正社員の基本シフト
俺はフリーターで
正社員並に仕事していたので
早番に充てられていた


ランチはタナカに任せて
遅番からの出勤
出勤してみてたら
店の光景が些か違う事に
少し戸惑う


いつもは一人で誰もいない店に来るが
今日は出勤してみたら誰かいるし
営業もしている


おはようございます


ここはいつも通り挨拶して
バックに入り
タナカとランチの様子を聞いてみる


「ランチどうやった?」
とタナカに聞く


タナカは
「いつも通りやったけど、○藤君おらんかったらしんどいし、まだ慣れんなぁ」


そうなんだ
今日から一人でタナカに任せてみたが
朝から電話が掛かりっぱなし
あそこの準備はどうやった?
仕込みの量はどうやった?
スープの手順はどうやった?等等
おかげであんまり寝てない状態で
深夜に入るのは
少し不安だった


それでも
何も無く営業を終えたので良しであろう


「明日は俺休みやからもう一日頑張ってな」
そうタナカに言ってバックに戻る


そこから店長と深夜の営業の流れとか
少し話し厨房に行く


深夜と言っても
まだ夕方なのでまだお客さんはまばらで
仕込みがメイン
仕込みをとにかく
せっせと終わらせていく


18:00前になるとアルバイト達も
続々と出勤してくる


おはようございますー


一人の女の子が出勤してくる


マツウラマミというバイトの子である
見た目はギャルだ


年齢は俺の一つ下でフリーター
元々ランチに入っていたのだが
今は亡きイモト氏が気持ち悪いという理由で
夕方からのシフトに入っている
なので顔見知りではある


「あれ?○藤さん夜に入る様になったのー?」
マツウラが聞いてくる
「とりあえず今日だけね、よろしくねー」
と声を掛ける


実はこのマツウラという女が
俺は少し気になっていた
要は
好きかもって事だ


バイト歴は半年程で
ランチに入っていた時は
人見知りもあってなかなか打ち解けられなかったが
仲良くなればコロコロと良く笑う
素直な良い娘である


イモト氏の気持ち悪さについて
たまに相談を受けていた


挨拶したら微笑みかけてくる
次の日休みなら「彼氏?」とか聞いてくる
用もないのにホールに来て話しかけてくる
その際に距離が近くてキモい
等等


その様子を目の当たりにしてたのだが
エエ子なので
無難にイモト氏と接していたのだ


そんな事もあり
店長にシフトの変更を申し出
夕方からのシフトに変わったと言うわけだ


マツウラと一緒に仕事出来るのは
嬉しいが
仕事なので手を抜くわけにはいかない
朝からの仕事とは全く手順も違うのだから


19:00前からお客さんが増えだす
ここからが本番だ
麺場に立ち本格的にオーダーをこなしていこう


初めてのディナータイムである