ラーメン物語11

気がつけば
ラーメン屋のバイトも一年近くやっていた
やっている仕事も社員並
ランチは社員無しで
一人で仕込みから任され
ランチのバイトのシフト管理
材料の発注等も俺の仕事
時給も軽く1000円を超え
勤務時間も8時〜18時までなっていた
給料も社員位になっている


社員の一人のイモト氏は
いつの間にか辞めていた
かなり俺の事を鬱陶しがっていたし
相当嫌っていたからな
いらんヤツがおらんようになって
とても充実していた


しかし
このまま社員になるのは嫌だった


やはり飲食店の社員に旨味は全く感じない
仕事は楽しいが…


そんなある日
店長から話があった
「今度一人新入社員入れようと思ってるんやけど?」
へー
そんな話があるんやと
店長の話を聞いていた
「入社したのは先々月なんやけど、今は西宮支店におるんよ」
当時は支店が本店と西宮支店と自分が勤めている支店があった
西宮支店は芦屋西宮ラーメン街道として
当時はラーメン激戦区であった
西宮支店は何度もテレビや雑誌に取材されており
芸能人やスポーツ選手などが来る
有名な店舗だ
「確か○藤さんと同い年だと思うから、よろしく頼むわ」
わかりましたと言い
仕事に戻った


同い年の新入社員か…
立場的には難しいな
社員とバイトやもんな


まあどうにかなるやろー


そんな事を考えながら
日々の仕事をこなしていた


そして
新入社員が店に来る前日に店長から話があった


「明日の朝から一緒にやってもらうから、一通りの仕事の流れを教えて上げてな」
分かりましたと


もう新入社員の人が来るのか
早いな
しっかり教えて早く馴染んで貰おう
同い年やし仲良くしよ
そう思っていた
 
次の日
いつも通り8時前に出勤し
裏口から入ろうとすると
ドアの前に一人の男がいた