デリヘル物語9

俺は彼女に思いを伝えるべく
会う約束をした


会う日まで常にドキドキしていた


デリヘルのバイトで
送迎したりする時は
やはり嫌な気分であったが
それでも彼女の顔を見て
車で二人で話してる時は楽しかった


「今度はどこでご飯食べるー?」


仕事中とはいえ
こんな事を笑顔で言われたりしていた


可愛い
可愛すぎる…!!


考えとくわー
楽しみにしといてー


こんなやり取りをしていた


そして
会う日が来た


言うまでもなく
仕事なんて手につかない
適当にこなして
光の如く家に帰り
抜かりなく準備し
待ち合わせの場所へ


はぁー


緊張してるのが
よくわかる


期待と不安が入り交じった
何とも言えない純情な感情
思いが届くのか?


そんな事を考えている内に
彼女が来た


おつー!


こんな事を言って
テンション高めで来た


可愛い


その笑顔は100万$
正に国家予算レベル


彼女も楽しみにしていたのだろう
そんな気がした


ほんなら行こか


行ったのは
鳥肉の美味い店
鳥専門店だ


特に親子丼が美味い


彼女にそれを勧めてみる


親子丼を食し


美味しー!と
キャッキャと喜んでくれる
男冥利に尽きていた


俺は思った
彼女が喜んでくれるのが一番嬉しい
この笑顔を見ていたい‥と


楽しく食事し
彼女を車で送る事に


彼女が助手席に乗り込む


そして
彼女は言う
「いつも後部座席やから、助手席って変な感じやね」


そう
デリヘルの時は基本
女の子は後部座席に乗せるもの
助手席に乗る事はまずない


俺は言う
「今日のお店美味しかった?」
アキヨ
「美味しかったぁ!特に〇〇とかー」
それは良かったと


彼女が言う


次はアタシが気になってるお店に行こうよ


俺も
エエなぁ、行こうや!


そんな楽しげな会話をしてる内に
彼女の家の近くに着く



着いたよ
今日はありがとう
楽しかったわ!


アキヨ
アタシも楽しかったぁ!
こちらこそありがとう!


思いを伝えるチャンスはここしかない!!


車を降りようとする
彼女を引き止め
しっかり顔を見て
俺は言った


あのなアキヨ

アキヨの事
好きやねん
俺と付き合って欲しい


言った…!
とうとう言った!
俺の全ての思いを言った!


心臓がバクバクしている
今にも破裂しそうだ
そうだ
これが恋なんだ


思いきって告白したあと


彼女は


泣き出した