デリヘル物語10

思いの全てを彼女に伝えた


何故か彼女は泣き出した


めっちゃ焦る
焦る
焦る


何故だ?
そんなに俺に告白されたのが嫌だったのか?


泣いている彼女に
何故泣いているのか聞いてみた


どうしたん?
何か変な事言った?


彼女は首を横に振る



俺の頭の中は
まさに



である


泣いている理由が知りたいし
何より俺の想いの返事も欲しい


しかし


泣いている彼女に対して
無理矢理聞くのもどうかと思った


少し落ち着いてきて
泣き止みだした頃に
彼女は口を開く


違うの
○っちゃん(俺の事ね)に好きって言ってくれて
ホンマに嬉しかったの


はい
スパーク!
俺の心と頭はスパーク


心の中では
小躍りどころか
全力でカズダンスを踊っている


では
何故泣いたのか?
嬉し涙か?
そんな泣き方では無かった


俺はどうしても
泣いた理由が知りたかったので
聞いてみた


彼女はこう言った


アタシも○っちゃんの事が好き…


ずっこーん


待て待て
まだだ!
喜ぶのはまだ早いぞ
俺は彼女の話を引き続き聞いてみる


○っちゃんは
こういう仕事(風俗)してても
普通の女の子として接してくれて
優しいし
一緒におっても楽しいねん
付き合えたらええなって思ってた


くぅーっ!


喜びを全力で表現したい
俺がいる


続けて彼女は言う


でもね…


お金の為とは言え
色んな男の人に触られたりしてる
アタシに触って欲しくないの


自分が悩んでいた事の
逆を彼女が思っていた


俺は彼女がどういう仕事に着いていようが
全てを受け入れて
好きになったんだ
そんな事は百も承知


その事を彼女に伝える


しかし彼女は…


いつも○っちゃんに
お客さんの所まで
送ってもらう時
凄い嫌やったもん
今から知らない男の人の所に向かっていく
自分の姿とか!


泣きながら彼女は言う


もう俺は何も言えなくなった
自分の事を好きでいてくれてるが故の
彼女なりの答えであろう


暫く沈黙し


ごめんね
もう帰るね…


そう言い残し
車から降りていく


一人になり
車の中で頭が真っ白の自分がいる


お互いが好き同士で報われない事って
あるんやな


そう思いながら
俺は車を走らせた