デリヘル物語11
お互いが好きで実らない恋
彼女が俺の事を好きでいてくれた事に
対しては嬉しくもあった
しかし
付き合えない事に対しては
とても悲しくもあり
複雑な感情が頭を巡らせていた
暫く車を走らせて
とにかく誰かに話を聞いて欲しくなった
芦田に連絡しよう
芦田には
彼女に思いを伝えるべく
背中を押してもらい
勇気をもらった
ならば
この結果を真っ先に伝えるべき人間であろう
俺は電話を取り
芦田に連絡した
俺
もしもし?
芦田
おう、どうしたん?
俺
この間言ってた女の子
好きなった子の事
芦田
あー言ってた子な
どうやった?
俺は芦田に事の全てを伝えた
芦田
なるほどな
俺
色々と相談に乗ってもらって
ありがとうな
芦田
ええよ
気にすんな
別に振られたわけちゃうし
落ち込むなよ
俺
そうやけど…
芦田
まだ好きなんやろ?
その子の事?
俺
好きやな
芦田
こうなってしまった後に
すぐ連絡したりとかしたら
ややこしいけど
まだチャンスあるやろ?
そういう断り方されるって事は
相手の方で色々と整理が付いてないだけやん
俺
なるほど
芦田
とりあえずほっとけば?
それで相手から何にもアプローチ掛けてこなかったら
次の女いったらええやん
星の数ほど女はおるわけやし
俺
簡単に言うな!
結構マジやってんぞ!
芦田はヘラヘラと言ってたが
落ち込んでいた俺を励ます
彼の優しさなりの言動である
芦田
デリヘルのバイトどうすんの?
顔合わせにくいやろ?
俺
そうやねん
もう辞めよかなと思ってる
飽きてきたし
芦田
そうか
それもエエやん
俺
明日にでも辞める言うてくるわ
せっかく紹介してくれたのに
ゴメンな
芦田
エエよ
夜はどこも人手不足やから
またいつでも言うてきて
俺
わかった
こうして
芦田との電話は終わる
アイツと話をして
幾分気が楽になった
芦田の言うとおり
終わってしまったものはしょうがない
俺は
次に進むために
気持ちを切り替えてみた
次の日
仕事が終わり
デリヘルのバイト先に辞める事を告げる
このバイトは半年程続いた
割も良く楽であったが
しょうがない
次に進むための第一歩である
バイトを辞めて
1週間ほどたったある日の夜
俺の携帯が鳴った
着信画面を見てみると