デリヘル物語5

新人で入ってきた女


【かのん】


当時は
こんな業界には似つかわしくない感じの子やなぁ位にしか思ってなかった
今で言うと


広瀬アリスみたいな感じ


シフトもソコソコに入っていた
俺も週4日位入っていたし
彼女の勤務時間帯と被ることが多く
よく乗せていたのだ


送迎の間は世間話をしたりするもんだが
女二人を載せてる時は突っ込んだ話は出来ない
かのんがチェンジ要員で乗せてる時
他の女がデリバリーでいない時に
色々と突っ込んだ話をしていた


今日は疲れてるやん?
昼間の仕事が忙しかった?
もうこの仕事慣れた?
とかね


人間は労いの言葉を掛けてくれたりすると
結構素直に答えてくれたりする
こんな会話を繰り返すたびに
距離が縮まり
自分の事を話してくれたりする


そういった事を何度か繰り返して行くうちに
彼女から悩みや愚痴といったモノを
聞くようになっていった


我に勝利あり


後は仕事の後とかに
飯なり飲みに誘い出すだけだ


そして
かのんを乗せて指定の場所に送っていき
俺はこう告げた
「危ない目に合いそうになったら、俺の携帯に電話してきて。すぐに助けに行くから」


彼女は
「わかりました!ありがとうございます!」


こう笑顔で返された


自信から確信に変わった瞬間


イケる
イケるぞぅ
この女をコマしたるんや
俺はウキウキ気分でホテルの駐車場で待っていた


彼女は仕事を終え
車に戻ってきた


「お疲れ様!大丈夫やった?」


彼女は
大丈夫でしたと


戻る道中に
今日は何時まで?と聞く


○時までです


残念ながら時間が合わない
俺の方が終わるのが遅いな
じゃあお互いシフト入ってない日に
一緒に飯でも行こうかと誘ってみる


彼女は


「えっ…?」


一瞬表情が曇ったのを覚えいる


まだ早かったか…?!

このミッションは失敗か?と思ったが


「あたしで良いんですか?」


思いもよらない返事であった
しかも軽くうつむきながら
少し申し訳ないような表情がとても可愛かったのを覚えている


そう


俺はこの時


完全に


恋に落ちたのだ


エエよー
全然
ええよー!
メールアドレスも教えとくから
空いてる日連絡してよ
こう告げた


彼女は
わかりました!帰ったら連絡しますねと
言ってくれた


マジで浮かれていた


事務所に戻り
仕事を続け
朝方に家に帰り仮眠を取って
仕事に向かう道中に
メールがきた


「おはようございます!昨日は誘ってもらってありがとうございます!○日の夜なら空いてますよ?」


ーキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!


出勤途中の車の中で
マジでこう叫んだ
マジでウンコ漏らすかと思った
むしろ漏らした


速攻でメールを返し
ウキウキ気分で仕事に向かった


そして
彼女とプライベートで会う日が
訪れた