デリヘル物語13
アキヨから電話だ
何故だ?
この時真っ先に思ったのは
車の中に何か忘れ物でもしたのか?
嘘や!と言う声が聞こえてきそうだが
当時は本気で思った
とりあえず電話に出よう
…もしもし?
アキヨ
…アタシ
俺
どうしたん?
アキヨ
何してるの?
俺
家におるで
もう寝ようかなと思ってた
アキヨ
そうなん
良かった
彼女は少し嬉しそうな声を出したような気がする
俺
どうしたん?
何かあったん?
アキヨ
お店辞めたんやね?
俺
うん
辞めた
アキヨ
最近見ないと思って
スタッフに聞いたら辞めたって
俺
そうなんや
アキヨ
…
俺
…
少しの沈黙が流れた
彼女が沈黙を破るように話し出す
アキヨ
辞めた理由って
アタシのせい?
少なからずそれはあった
どの男に聞いたって
振られた女と同じ職場とかは嫌だろう
敢えて俺は言わなかった
俺
ちゃうよ
色々とやりたい事あるし
飽きてきたしな
アキヨ
やりたい事?
何それ?
俺
またサッカー始めようと思ってな
先輩から入らへんかって誘われてんねん
平日にも練習ちゃんとあるチーム
これは嘘でもなく
実際に誘いがあり
サッカーは始めようと思っていた
アキヨ
えっ?!
スゴイスゴイ!
○っちゃんサッカーやってたん?
俺
うん
小学生から高校生までやってたよ
全国マジで目指してたよ
アキヨ
ポジションは?
アキヨ
っぽいなぁ!
○っちゃん
頼りになるもんな!
こんな話を電話で話していた
振られている身とはいえ
やはり彼女と話していると
心地良く楽しかった
そして
会話の流れから
彼女がこう言ってきた
アキヨ
○っちゃん…
一度会ってくれへんかな?
俺
えっ?
彼女からの突然の申し出
正直俺は戸惑った
俺は振られた
正確に言うと
振られてはいないのか?
よくわからんが
微妙な関係だ
しかし
俺
ええよ
快諾
そう
会うことにしたのだ
アキヨ
ありがとう!
彼女の嬉しそうな声が
電話越しから伝わってくる
そして
当時の俺は
思い立ったら即行動を売りにしていたので
彼女にこう切り出した
俺
今から行くわ
アキヨ
えっ?!
流石に彼女もビックリしていた
アキヨ
今からは無理やで
それはそうだ
余りにも急過ぎる
当時の俺はアホすぎた
この後
会う日時を決める
そして
彼女と会う日が来たんだ