ラーメン物語8

飲み会の翌日
俺は朝から仕込みと開店準備をしていた 


それほど遅くまでいたわけではないが
やはり少し眠い
まあそれでも楽しかったから
良しとしよう


開店1時間半前ぐらいから
バイトやら社員が出勤し始める


「おはようございまーす」
 
社員のイモト氏とチーフのオオタニさんだ
おはようございますと 
挨拶を返す


スープの出来やら
仕込みの確認等で色々と話し合う
仕込みも一段落したので
少し休憩


バックヤードに行くと
ヤンキーのハルカとヒトミが
タバコを吸っていた
 
「おはようございまーす」
ハルカとヒトミが挨拶してくる


「おはよう!昨日はお疲れ!ありがとうな」


「いーえ、こちらこそ楽しかったッスよ」
「ホンマー、楽しかったー!」
ハルカとヒトミは笑顔で言ってくれる


タバコを吸い終えたハルカとヒトミは
手洗いとうがいをし
タイムカードを押して
ホールへと向かう


俺はバックヤードで
発注の段取りやらをしようとした


シフト表も確認しておくか…


シフトをざっと見てみる


フクモリは17時からか…


あれからコウヅキはうまくできたのか?
少し進展が気になった
まあ
コウヅキから何かしら連絡あるだろう


コウヅキのシフトは21時からラストまで
今日は会うことは無いが
また機会をみて聞いておこう


そして
仕事に戻り店が開店する


怒涛のランチタイムのピークが過ぎ
少し落ち着いて
夜に向けた仕込み作業に入る


実は仕込み作業は嫌いではない
無心になってできるからだ


そうこうしてる内に
17時前になる
もう上がりの時間だ
洗い物やら遅番から出勤してくる
店長に引き継ぎを済ませる


「…という事です!ランチの引き継ぎ以上です!よろしくお願いします!」
と店長に伝える
「はい!お疲れ様です!いつになったら社員になるん?」
店長は笑いながら言ってくる
「いやーそんな器じゃないっすよ」
と言って誤魔化し笑う
ほぼ毎日だ
もう慣れたが
店長は厨房からホールへと向かう
その時フクモリが出勤してくる
「おはようございまーす」
いつも通りの光景
「おはよう!昨日はありがとうな」
とお礼を言う


「エエよー!カラオケも楽しかったし!○藤さんも来たら良かったのにー」
フクモリは笑顔で応えてくれた
そこで俺は
「ちゃんとコウヅキに送ってもらった?」

軽く聞いてみた
「うーうん」
フクモリは顔を横に振る?
コウヅキは酒を飲んでないし
車で来たはずや
送っていけとも伝えたのに
「だってコウヅキ君、カラオケ始まってちょっとしてすぐ帰ったもん」


なんだと?


「明日学校早いから帰りますって」


なんじゃそら
せっかくお膳立てしたのに


そうなんやとフクモリに言う
今度詳しい事はコウヅキに聞くか
そして上がりの時間を迎え
フクモリは仕事に向かう


「また飲み会やってやー!お疲れー!」
笑顔で手を振りながらホールへと行く


何かアイツは軽いねんなぁ…
人の事言えんけど


ほんなら
俺も帰るか…


お疲れ様でしたーと挨拶を済ませ
仕事を上がる


なんでこの機会に
フクモリと親交を深めなかったのか?
それだけが少し気になったが


まあエエわ


ここまでしてんから
後は当人の問題や


明日も朝からや
気合入れていこう!!


そうして
帰路に付くのであった