ラーメン物語4

はぁ…


溜め息しか出ない


勤務初日で
あれだけの仕打ちを受けたら
チタンのメンタルを持つ俺でも 
流石に凹むな


しかしだ


バイトだろうと社員であろうと
2日やそこらで辞めるようでは


漢が廃る!


どうせ辞めるなら
何かしらを吸収してから辞めなければ!


気合を入れて出勤する


するとだ…


おや?
おやおや?


初日に比べると
明らかに優しい


相変わらず卵は剥いているが
他にも色んな事を教えてくれる


餃子の焼き方
サイドメニューの作り方
何なら
アイドルタイム(要は暇な時間)に
まかない限定ではあるが
チャーハンや
何ならラーメンの作り方も教えてくれる


厨房であるから
暑いし
肉体的にもキツかったが
色んな仕事を教えてもらい
非常に充実していた
単純に楽しかった


仕事が楽しくなれば
声も出るようになるし
周りの雰囲気も良く
店長を始め
他の社員も優しく接してくれた


イモト氏以外はね


そうした充実した日々を送り
バイトを始めて1ヶ月が経ち
最初の給料日を迎えた


バイトを終え
タイムカードを押し
バックルームに向かうと店長がいた


「おっ!お疲れ様ー!はいこれ明細ね」


ありがとうございます!と言い
明細を受け取る


「キツイのによく頑張ったなぁ!みんな辞めていくなか助かったよ!」
店長から労いの言葉を掛けられる
俺は少し照れながらも
ありがとうございますと言う


「でね、○藤さん」
改まって店長が言う


はい
何でしょう?


「折り入って相談があるんやけど…」


店長から
予想外の言葉を掛けられる